当園は、長野県長野市の北部に位置し、西は飯綱山や戸隠山など北信五岳に、東は志賀高原と山々に囲まれたとても空気のおいしい水に恵まれたところです。古くから、りんごはもちろん、桃や巨峰などくだものの産地として広く知られているんですよ。

りんごについて

サンふじの "みつ" について

サンふじを切ると中にみつが入ったような黄色い部分が見られることがありますよね。

一般的に完熟を示す指標になっています。

しかし、このみつと呼ばれる部分は特別甘いというわけではないんです。

それどころか、昔はみつ病と言われ、茶色く変色するため、不良品扱いでした。

そもそもりんごの甘味は、りんごが育つ中、葉で作られたデンプンが ソルビトール* という水分物質に変化し、果実内に蓄えられて酵素の働きで果糖に変化していくことで甘くなります。

やがて、酵素は働きをやめ、果糖になりきれないソルビトールが残るというメカニズムです。

つまり、みつの部分だけでは特別甘くはないのですが、みつが入ったサンふじはやはり甘さたっぷりの完熟品というわけです。

シャキッとした食感にジュワッと果汁が広がり、なんとも言えない香り、たまりませんよね。

* ソルビトール ・・・ショ糖の5〜6割程度の甘さです。口腔内で細菌の生成がほとんどないのでガムなど食品甘味料につかわれていますね。

みつの入っていないサンふじは

このみつも収穫時から徐々に果肉に吸収され、やがて目に見えなくなってしまいます。特に、年明けの1月頃には、品質の良いものでも入っていないことが多く見受けられるようになります。また、この作用がうまくいかないとみつの部分が茶色に変色してしまう現象(みつ褐変と呼ばれています)が起こると言われています。

保存方法はどうすればいいの?

最近の冷蔵庫はハイテク技術の進歩で、野菜専用室の機能がバツグンに良くなりました。おかげで鮮度保持が長期間保たれるようになりましたね。

そこに入れておいていただくのがいちばんよいのですが・・・。

そんなハイテク冷蔵庫を持ってない場合はどうするの?

できるだけ寒いところに適度な湿度を保って保存していただきたいと思います。

具体的には、小分けにして新聞紙に水を湿らせりんごを包み、ポリ袋にいれてできるだけ冷蔵庫に入れる 入りきらない分は家でいちばん寒い場所に置く、ということだと思います。

農薬の使用について

当園のりんごは信頼できる生産者さんから、当園の栽培方法と同じ様に栽培していただいているものと、直接栽培しているものがあります。農薬の使用については畑の状況や条件で違ってきますので適宜判断して対処していかなければならず、特に注意が必要です。なるべく減農薬につとめていますが通常基準の6〜7割になります。

あきばえ-10月7日頃から10月16日頃まで-

千秋とつがるから生まれました。

果皮が濃紅色(少し黒ずむ)になると食べごろです。

ごつごつしていて不格好でサビ(果皮にできるざらざらした部分)が出やすいのが特徴ですが、見かけによらず糖度が高く酸味も適度にあり、何といってもこの時期としてその歯ざわりの良さが人気のりんごです。

シナノスイート-10月16日頃から11月10日頃まで-

ふじとつがるから生まれた品種です。

こちらの地域では着色がやや淡い感がありますが、その名のとおり甘く、とても果汁が多いりんごです。

シナノゴールド-10月28日頃から11月30日頃まで-

ゴールデンデリシャスと千秋から生まれた品種です。

黄色の果皮ですが、赤いりんご達にも決して負けないおいしさが自慢です。

甘味はもちろん酸味も程よくあり、保存の仕方が良ければ年明けでも充分おいしくいただけます。

サンふじ-11月28日頃から翌4月15日頃まで-

国光とデリシャスから生まれました。

甘味と酸味のバランスがとても良く、果汁の多さや歯ざわりのよさと、1番皆様に高い評価をいただいているまさに信州北信濃を代表するりんごです。

袋をかけて育てた "ふじ" と比べて色つきは劣ってしまい、また果皮がザラついてしまうのが特徴ですが、自然の中の厳しい環境にさらされながら育ったそのパワフルな味わいは、きっと皆様に気に入っていただけると思います。